(株)プラウシップ 代表取締役
千葉武雄氏(58歳)

広大な北海道には、専門特化した技術や豊富な現場経験を有する中小企業が各地に点在している。しかし、中小企業が単独で自社製品をつくることは現実的には難しく、北海道のものづくりのジレンマがそこにある。株式会社プラウシップでは、そうした中小企業の可能性に着目し、中小企業同士の連携と産学官を軸にしたものづくりを推進。「北のブランドものづくり工房」と銘打った思いを、同社代表取締役千葉武雄さんにうかがった。
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2004年には、プラウシップの名で申請した事業が北大リサーチ&ビジネスパーク構想推進協議会主催のインキュベーションモデルに採択された(2005年1月から株式会社化)。
採択された事業内容は野菜乾燥機の開発・実用化。本来なら廃棄処分になる規格外の野菜を乾燥、粉砕することで麺類などの二次加工に無駄なく使うことができる。先に自家製乾燥機を活用し、「じゃがいもパスタ」を商品化していた大滝村の農家のアイデアをもとに、より本格的な機能を備える製品化に着手した。
収穫後の農閑期を有効に使えるうえに、乾燥された野菜の体積は約5分の1になるため輸送費の軽量・低コスト化が実現。保存性も高いという数々の利点から、北海道の農家に新たなビジネスチャンスをもたらす製品として注目を集めている。
「この野菜乾燥機を活用して地元の野菜を使ったご当地料理を作ることも考えられますよね。今後も工夫を重ね、農家さんが購入しやすい価格帯の製品化を目指します」。
野菜乾燥機『ドライアップ』。「プラウシップは小ロットで対応できる商品開発で本州との差別化を図ります。HiNTからいただくアドバイスやセミナーを活用しながら、今後もビジネスチャンスを掘り下げていきたいです」(千葉さん)
野菜乾燥機の他にも、『雪の結晶型紙せっけん ユキハナ物語』の製品化や電気式卓上ジンギスカン鍋セットの開発に関わるなど、多彩に活動範囲を広げるプラウシップ。 「『ユキハナ物語』のときは大学ベンチャー企業のGEL-Designさんと共同開発させていただきました。自分の息子のような年齢の社長さんと一緒に仕事ができるなんて最高です。プラウシップが最終目標としているのは、こうした製品開発を通して20代、30代の技術者達が北海道で活躍できる雇用の場を生みだしていくこと。U・Iターンを志望する若者達にも、『北海道へ帰っておいで。やりがいのある仕事がたくさんあるから』と言える環境を私達がつくらなければなりません。行政をはじめ大学・研究機関、そして民間企業がこぞって支援をした成果が実り、雇用が生まれ、若者がいきいきと働けるようになる。それが北海道経済の発展につながると信じております」。
北のものづくりを絶やさぬために立ち上がった“父親”達。それがプラウシップの真の姿なのかもしれない。
2007年の夏、プラウシップに嬉しい出来事が続いた。7月には社員第一号、37歳の男性が入社し、8月にはかねて財団法人北海道中小企業総合支援センターに応募していた新案件の助成が決定した。この喜びを早速、新入社員と分かち合いながら、「私達“おっちゃん”が退いた後は、彼の時代です」と語る千葉さんのまなざしは、強くあたたかい輝きを放っていた。
2005年度のさっぽろ雪祭りで試験販売された『ユキハナ物語』。雪の結晶をテーマにした絵本の巻末に結晶型紙せっけんを同封。わずか数日で完売となった。
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