佐藤社長インタビュー風景

株式会社ニッコー 代表取締役 佐藤厚氏(62歳)

株式会社ニッコー。技術は世のため、ひとのため食の加工現場に新風を送る技術者集団

北の港町・釧路に“世界初”の技術を有する機械開発メーカーが存在する。ホタテ貝自動生剥き機や三次元計測生魚定貫切身装置…佐藤厚社長が率いる技術者集団、株式会社ニッコーの製品は近年当たり前のように全国の水産加工現場で使われている。現在は産業技術総合研究所(以下、産総研)とタッグを組み、次なる技術開発も進行中。その実現を誰よりも心待ちにしている佐藤社長にお話をうかがった。

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実現不可能といわれた加工現場の難題に挑戦

「釧路の片田舎にいる私どものような企業が、日本のトップレベルの技術者が集う産総研さんと一緒に新しい技術開発に取り組めるとは夢にも思っていませんでした」。

佐藤厚社長はそう謙遜するが、株式会社ニッコーも創業以来30年間、エレクトロニクス技術を活用した数々の新製品を開発し続けてきた国内トップクラスのエンジニア集団。手作業が中心だった食の加工現場に画期的な機械製品を送り続けてきた。

同社第一号製品にして代表製品の「オートシェラー」は、ホタテ貝を入れるだけで自動的に殻から貝柱を傷つけずに取り分けられる“世界初”のホタテ貝自動生剥き機。生魚を重量・幅・長さなど希望の規格通りに揃えてカットできる「スーパープロフェッショナル」は“世界初”三次元計測生魚定貫切身装置として、「第一回ものづくり日本大賞」経済産業大臣表彰優秀賞を受賞した。

日頃から広くアンテナを張り巡らせているHiNTが食品加工業界に次々と新風を巻き起こすニッコーに目を止めたのも、ごく自然な流れだったに違いない。2004年11月、釧路工業技術センターの紹介でHiNTの事務局が同社を訪問した日に技術開発協力の芽吹きが始まった。情報・意見の交換を幾度か交わした後、2006年からは具体的な技術開発案件の発動を目指して技術支援アドバイザーが釧路と札幌を往復することになった。

スーパープロフェッショナル 機能だけでなくデザインでも高い評価を集める「スーパープロフェッショナル」。2004年には第17回北の生活産業デザインコンペディション奨励賞などを受賞した

機械に“目”をつける新プロジェクト始動

佐藤社長はアドバイザーの訪問に驚きながらも、HiNTの活動内容に始まる熱心な説明を聞くうちに徐々に心を動かされていった。
「私のものづくりのモットーは明快です。“技術は世のため、ひとのため”。社会で役立ったときにはじめてその技術の価値が生まれると考えています。ですから、HiNTさんに仲介の労をとっていただき、産総研さんがお持ちの最先端のシーズと私どもが加工現場から集めてきたニーズを重ね合わせて世の中に求められる製品を生みだせるならと思い、こちらからも“こういうことを実現したい”という要望を出すことにしました」。

そうして提出されたのが次の2つのキーワードだった。ひとつめは現在も活用中の三次元計測技術をさらに上回る「高精度の三次元計測システムの実現」。ふたつめは黙視では確認できない、魚や野菜など食材の内部を知ることができる「CTスキャナ技術の活用」。 「食品業界にいる我々にとって、『食の安心・安全』は最優先項目です。品質管理や異物の混入防止を徹底するため、機械にもベルトコンベアで運ばれてくる食材の善し悪しを見極める“目”をつけたい」と佐藤社長は語る。

数ある中小企業支援制度からベストのものをHiNTが選出

ニッコーの要望を聞いたHiNTでは早速、産総研でのパートナー探しを始め、最終的に人工知能の研究に関わる専門チームをピックアップした。研究室のあるつくば市で関係者全員が一堂に会した席では再度このプロジェクトに関する互いの意志や詳細を確認し、全員の意気も上がった。残ったのは研究費の調達という最大の難問。
「ここでも頼りになったのがHiNTさんです。アドバイザーの方が山とある補助金制度を調べつくして、見事このプロジェクトが該当するようなものを見つけてきてくださった。あの熱心さには本当に頭が下がる想いでした。おかげで、今年の9月に中小支援型開発制度の採択が認められ、本格的にプロジェクトを始動することになりました」。

さらに現在、ニッコーはもうひとつの産学官プロジェクトにも参加している。 「今度は産総研さんからご紹介いただいた名古屋の電気機器メーカー、古川電機製作株式会社さんのお力も借りて、光触媒を活用した除菌効果の高い空気清浄機を試作中です。将来的には加工場全体をカバーする吸排気システムの提案などのビジネスチャンスにつなげたい」と佐藤社長は熱い期待を寄せている。

スーパープロフェッショナル 古川電機製作株式会社古川農夫之社長や(独)産業技術総合研究所中部センター垰田博史氏との打ち合わせの場としてもHiNTを活用

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KCMエンジニアリング株式会社
  • 株式会社ニッコー http://www.k-nikko.com
  • 〒084-0924 釧路市鶴野110番地1
  • TEL・0154-52-7101 FAX・0154-53-0878
  • 代表者/代表取締役 佐藤 厚
  • 従業員数/50名
  • 設立/1977年12月15日
  • 資本金/3,000万円
  • 事業内容/食品・水産・食肉・農産 各加工用機械の企画、開発、製造、販売