右から北海道ワイン株式会社代表取締役副社長 嶌村公宏氏(45歳)、営農部次長 齋藤浩司氏(42歳)

厳寒の地、北海道では不可能と言われたワインづくりにすべてを懸けて約30年。土壌改良や豪雪との闘い、ワインブームの後には大量の道産葡萄を買い取り経済的な打撃を被ったこともあった。「北海道に必要な会社になる」という北海道ワイン株式会社創業からの想いが、今新たに産学官の分野で結実しようとしている。『道産ワイン製造残さを用いたメタボリック症候群予防食品の開発』プロジェクトを担当するお二人のもとを訪ねた。
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HiNTの仲介で新たに加わったメンバーは酪農学園大学と北海道立食品加工研究センター。両者によると、葡萄の種皮を使った新商品をつくる際に発生する残さを飼料にして豚や鶏に与えると健康体が維持され、抗生物質等を不要とする育成が可能になるという。「この豚の飼養に成功すれば、将来はブランドポークとして後志地方の特産品になるかもしれない。ワインと一緒に食べてもらうなどイメージがどんどん広がっていきます」と嶌村副社長も熱い期待を寄せている。
こうした志を同じくするチームでも、各分野のスペシャリストが集えば自然と専門用語が飛び交うもの。葡萄の発酵やPPAR活性、互いにとって未知の世界を“通訳してくれる”役まわりとして株式会社札幌バイオ工房が最後に加わり、プロジェクトチームが結成された。
HiNTに集合したプロジェクトメンバー。「この経験が社員の刺激になり、会社の資産になります」と嶌村副社長(写真右端)
2007年の春、立ち上げと同時にプロジェクトチームはHiNTの勧めを受けて地域資源活用型研究開発事業に応募した。ところが初めて手がけた応募書類が難解すぎて、結果は残念ながら不採択に。
「今振り返るとあの応募書類は確かに難しかった(笑)。私どもも未消化な部分があったと反省しています。ただ公的な補助金を受けられなくても、自分たちで事業化を続けようという意欲はみな一緒でした。それを聞きつけたHiNTさんが二次募集の情報を教えてくれて、前回の反省を生かした応募書類で無事採択されたというわけです」。
こうして『道産ワイン製造残さを用いたメタボリック症候群予防食品の開発』プロジェクトチームは、植物性乳酸菌飲料の試作品づくりに乗り出した。決して平坦ではない歩みはワインづくりと重なることが多いだろう。だが不可能と言われた北のワインづくりを実現した北海道ワインの情熱が、確実に道を切り拓いていくと信じたい。
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