写真左から留萌有機肥料株式会社代表取締役 松重淑郎氏(80歳)、北海道アミノサン米普及会会長 水元秀彰氏(65歳)、
同会参与 河端淳一氏(68歳)

海の恵みを大地に返す。北海道西北部の港町、留萌市から産出される年間約3千トンのニシンの加工残さからアミノ酸を豊富に含む天然有機肥料「スーパーアミノ10」が誕生した。その肥料を与えられて育った道産米はふっくらと大きく実り、旨味も豊か。「アミノサン米」の名で商標登録が認められ、普及団体も結成された。おいしさからさらなる個性が求められる道産米競争時代に一石を投じる期待の産学官モデルを紹介する。
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平成の時代に入ってから「ほしのゆめ」「ななつぼし」などおいしい銘柄米が普及し追い風が吹いている道産米だが、消費者の要求はつねに高い。同じ銘柄米のなかでもさらに“選ばれる個性”が作り手に求められている。こうした課題を前に、「スーパーアミノ10」で育つ道産米はアミノ酸総量が15〜20%増え、ひと粒の重量も5%アップと聞けば、周囲からの期待も自ずと高まるというもの。2006年には留萌有機肥料と普及指導員OBとで「北海道アミノサン米普及会」を結成し、比布町農協、秩父別町稲作経営研究会の協力のもと本格的な試験栽培も始まった。
さらに弾みとなったのは同年7月に「アミノサン米」の商標登録(第4967048号)が認められたこと。HiNTを介し、中小企業支援の相談窓口となる(独)中小企業基盤整備機構北海道支部という頼もしい助っ人を得た松重社長は複雑な商標登録手続きをサポートしてもらい、唯一無二の吉報を手にすることができたという。

「アミノ酸と米、普通名詞をつなげた“アミノサン米”で商標登録がとれるとは夢のよう。お骨折りいただいた中小機構さん、HiNTさんには頭が下がる思いです」(松重社長談)
2008年現在、「アミノサン米」の栽培は秩父別町、妹背牛町、蘭越町、岩見沢市、仁木町の道内5カ所にて「ほしのゆめ」「ななつぼし」「きらら397」の3品種で展開されている。2007年に収穫された新米は北海道中央食糧株式会社で販売され、1万3千俵を売上げた。実用化された新製品の売上げが億単位という実績は「数あるマッチングモデルのなかでも出色の成果」(HiNT談)。日本の食糧基地・北海道ならではの産学官ビジネスモデルとして今後の大きな指針となるだろう。
北海道アミノサン米普及会の水元秀彰会長が「商標登録にふさわしい品質管理に力を注いでいます。農家さんと手を携えながらいっそうの普及に務めたい」と語れば、松重社長も深くうなずく。やっぱりおいしいんですか、アミノサン米?と尋ねると「そりゃあもう全然違うさ。旨味が違う」とその場にいた全員から自信の一言。道産米期待の新星を口にする今年の秋が楽しみだ。
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