写真左から株式会社ウェザーコック代表取締役 山本真裕氏 (60歳)、専務取締役 山本一枝氏 (54歳)

教育や研究、博物館展示に活用される模型地図。現実の地形をどれだけ精確に再現できるか。長年格闘し続けてきた製作者にとって夢のような製作システムが誕生した。産学官の知恵が結集した「立体図面」は、コンピュータに地形データを入力すれば立体模型が自動製作されるという画期的な新システム。国際測地学・地球物理学連合(IUGG)2003年総会の展示では世界各国の専門家たちがその精度の高さに目を見張った。
pages | 1 | 2 |
ウェザーコック躍進の背景には、経営陣による先行投資とそれに応えるスタッフとの信頼関係が息づいている。製作現場のIT化に着手するのも早く、パソコン一人一台体制が整ったのは1999年のこと。翌2000年には社屋も拡張し、オフィス兼ファクトリーの機能を備えた職場環境を万全にした。当時道内企業の間では社内にある数台のパソコンを全員が共有していた時代に、ウェザーコックの社員は各自メールアドレスを保有。本州のクライアントとのやりとりもスムーズになり、顧客開拓におおいに役立ったという。
同社の業務内容は地図模型に限らず、建築模型、造形物、レプリカ、科学実験装置と多岐にわたる。スタッフは恵まれた環境のなかで自発的に勉強会を開き、製作技術を磨いていった。「我々はスタッフから意欲をもらって進んできたようなもの。前向きな社員たちに心から感謝しています」と山本社長はいう。

カラクリ時計もお手の物。「お客様の希望を形にするのが当社の使命です」(山本社長)
2003年の「立体図面」から産学官の技術開発はさらに進み、現在は「空中写真シート貼模型」も同社の主力商品に加わった。航空写真や衛星写真をデジタルデータで切削成形した立体模型にそのまま貼り付けた、別名「写真貼り模型」。写真画像の精細な美しさを保つ立体模型が出来た。
「HiNTさんや北大の先生がたに出会えたおかげで、造形デザインを極めようとする当社の社会的な価値を自覚することができました。専門性の高い"知のシャワー"を浴びているうちにもっと知りたいという欲も自然とわいてくる。まさに現代を生き抜くヒントを与えてくれる貴重な存在、それがHiNTさんです」。
ウェザーコックの社名は「時代の風を読みとる」風見鶏に由来する。厳しい状況が続く北海道経済の向かい風にも臆さず、毅然と明日を見つめる姿が頼もしい。

衛星写真を使った都市部の「衛星写真シート貼模型」。飛び出す写真さながらの迫力にひきこまれる。
pages | 1 | 2 |
©2005 Hokkaido Intelligent Network Terminal / All right reserved