核酸の活用技術の開発

セミナーの日時 2011年4月26日
セミナーのタイトル 核酸の活用技術の開発
講演者 小松 康雄(コマツ ヤスオ)研究員(産総研 生物プロセス研究部門 生体分子工学研究グループ)
セミナーの紹介  遺伝子を構成するDNAや、遺伝子の発現、制御に関わるRNAは、生物、ウイルスにおける共通の言語であり、それを読み解き、働きを調べることは、それらの存在の本質を知る上で必要不可欠であります。DNA、RNAに代表される核酸は化学合成が可能であり、現在では希望通りの配列の合成核酸を入手することが可能となっています。合成された核酸は、遺伝子解析、基礎研究、医薬品開発等に利用され、食品、医療、環境など広範な分野で重要な役割を果たしています。この核酸の化学合成技術は、1960年代から現在に至るまで全世界で盛んに研究されてきました。日本においても北大を中心に、道内の酵母、ニシンから回収した核酸を合成原料に用いて、核酸の化学合成に関わる技術開発が1960年代から活発に行われました。また、北海道の低湿な気候は核酸の化学合成に適していることから、核酸合成を受託する国内の主要な企業が現在でも道内には幾つか有ります。

 核酸には自己相補的な結合性ばかりではなく、2重らせん構造に基づいた電気伝導性等の極めて特異で興味深い性質が近年見出されています。加えて、核酸を医薬品として用いる技術開発も非常に活発に行われており、近い将来、核酸医薬品が一般的になる時代が来るかもしれません。こうした核酸の特徴的な性質を導き出して有効活用するには、核酸合成に関わるより優れた技術が必要となります。そこで産総研では、核酸の効率的活用や新たな利用法の確立を目指し、核酸の化学修飾法や検出に関わる基盤技術の開発を進め、一部の技術は実用化に至りました。今回は実用化に必要となった、「開発」、「特許」、「共同研究」などの課題に触れつつ、我々が開発した核酸の修飾技術を紹介させていただきます。

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