役に立つ、いろいろ、あれこれ。
セミナーの日時 | 2017年3月17日 |
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セミナーのタイトル | 放射線が拓く植物の新しい世界 |
講演者 | 中西友子(ナカニシ トモコ)特任教授(東京大学大学院農学生命科学研究科) |
セミナーの紹介 | 植物は周知の通り「水と無機元素」で生育するが、実際に水や無機元素がどのように吸収されているかについての動態はほとんど知られていない。そこで私たちは放射線やラジオアイソトープを利用して水や養分元素の分布ならびに動態についてのリアルタイム可視化解析を行ってきている。 まず、水については、中性子線を用いた植物中の水特異的な像の取得を行い、次に、半減期が僅か2分の15O-標識水を用いて植物が吸収する水動態を定量的に調べてきた。その結果、植物体内での水循環が初めて明らかになった。 次に、無機元素については、吸収動態のリアルタイムイメージングを行うべく、数多くのアイソトープを用いたイメージング装置(RRIS)を開発している。植物体全体のイメージング装置に加え、ミクロイメージングでは画像の高解像度化にも挑戦しているところである。 使用しているアイソトープは、32P,35S,45Caなど汎用核種の他、28Mgや42Kなどの調製も試みている。また14Cで標識した二酸化炭素ガスの固定動態も可視化できるようになった。 これらの放射線や放射性同位元素を用いた植物のイメージング解析について、福島事故で問題になった放射性Csの可視化も含めて紹介する。 |