第123回サイエンス・カフェ札幌「ボウッとしてんじゃねーよ!〜ハイスピードカメラが捉える燃焼の世界〜」

今回のテーマは「燃焼」。理科では「物質が酸素と結びつくときに熱や光を出す現象」と習うあれですが、そのシンプルな説明だけで終わらせてしまうにはもったいない奥深さがあります。例えば、化石燃料に代わる炭素を含まない代替燃料の実装を考える際には、その物質が酸素とどのように結びついてどれくらいの熱を生むのかという化学反応の理解だけでは不十分です。安定に燃やし、効率よく熱を取り出すためには、その化学反応が気体の流れや熱の移動などの物理現象とどのように影響しあっているのかを考える必要があります。しかし、その相互作用は複雑を極め、いまだに理論だけでは燃焼の全てを記述することができません。そこでゲストの藤田修さんは、一瞬、また一瞬と変わる炎の姿を高速度撮影で観察し、メカニズムの詳細を検討しています。「やればやるほど何か面白いことが出てきて、それが研究者を飽きさせない」―― そう語る藤田さんが40年もの間見てきた奥深き燃焼の世界の一端に触れてみませんか? ガスコンロの炎やろうそくの炎、焚き火の炎といった身近な炎の見え方が広がったり、ゼロカーボン時代に私たちが打つべき次の一手を改めて考えるきっかけになったりするかもしれません。

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