サイエンス・カフェ札幌「キツネをなんとかしてほしいと思ったときに行く会 〜しかし、解決はしない。」

札幌ではすっかり街の住人となったキタキツネ。かれらは「都市ギツネ urban fox」と呼ばれています。その姿をとらえようとカメラを背負って集う熱烈なファンがいる一方で、人間社会に不都合をもたらす害獣としての顔も持っています。人獣共通の寄生虫 エキノコックス をもっている、庭や家庭菜園を荒らす、ときには街行く人に吠えておどかす、そのうえ、そんなキツネに餌付けをしてわざわざ呼び寄せようとする人が現れる…といったように、コントロールの難しい多様な問題を抱えているためです。しかし、都市ギツネ対策の必要性が叫ばれて久しいものの、誰が・どのように対策するべきかについては、実は議論が進んでいません。その背景のひとつに、野生動物問題の「リスク評価」の難しさがあります。リスク評価とは、どんな被害がどのぐらい生じるかを試算することです。被害の種類と規模が予測できると、とるべき対策の内容と優先順位が見えてきます。都市ギツネ問題では、この予測が難しいというわけです。さらに、仮に何か良さそうな対策をうつとして、それが他の不都合を生むリスクはないか、特に人間や他の生物に悪い影響を与えないかを考慮せねばならず、それはそれでまた評価が難しい、といったぐあいです。このカフェでは、そのなかでも「比較的」有効とされる都市ギツネ対策を紹介しながら、解決しない多くの問題にどう折り合いをつけていくか、会場のみなさんと悩み、考えたいと思います。

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