北のものづくりサポーター

北海道の産学官連携の要になる人々を紹介します

この記事の内容は取材日(2009年3月23日)時点のもので、現時点では組織構成などが変更されていることがあります。

日本最大の食糧基地、十勝エリアに誕生

 北海道有数の農業地帯・十勝エリア。帯広市を中心とする1市16町2村で構成される十勝支庁は、明治16(1883)年の入植以来、“日本最大の食料基地”としての誇りを受け継いできた生産地である。

 

 特徴は畑作や酪農を中心とした大規模農業経営。なかでも畑作は麦類、豆類、馬鈴しょ、てん菜の4品目を主体とし、全道一の生産量を維持する品目も多い。とはいえ、自由競争の風が吹く昨今の経済状況を見ると、現状維持のままでは地域の将来が心もとない。農業を核とした地域産業の振興を目指し、平成5年、財団法人十勝圏振興機構、通称とかち財団が設立された。

 財団は平成6年に十勝圏地域食品加工技術センターを設置し、加工食品の開発や分析、技術指導を通じて新たな十勝の食を担う拠点を確立。そして食以外の幅広い分野、機械・金属・木工・電子など各種産業の支援拠点として平成18年4月に十勝産業振興センターが誕生した。

住まいと職場を同時に探すIターンに苦心

 飛川剛さんの前の職場は市場調査会社。地域振興事業のために本州や四国の農村地帯の現地調査に飛び回っていた。その前はバックパッカーでカナダをまわり、どこまでも続く青空や澄んだ空気が帰国後いつまでも心の片隅に残っていた。カナダで出会った女性と家庭を持ち、子供も生まれた。30歳になり、自分たちが暮らす場所を真剣に考えたとき、出した答えが北海道だった。

 「まっ平らなところがよくて」選んだ先は、広大な十勝平野が広がる十勝エリア。ところが、まったく縁故のないIターンゆえに家探しと転職活動の両方に苦労した。妻と二人で役場巡りを続けた結果、幕別町に住まいが見つかり、地域産業支援センターのコーディネーター募集にたどり着いた。

 「アピールポイントは地域振興の市場調査をしていたという経歴だけ。今思えば大胆というかなんというか」と、思わず飛川さんも笑ってしまう若かりし頃の転職活動。それから10年が経ち、今では押しも押されもせぬ「十勝エリアに欠かせない」(後述の先輩談)看板コーディネーターに成長した。

好奇心旺盛、新事業に前向きな十勝気質

 平成11年9月から、地域産業支援センターのコーディネーターとしてスタートをきった飛川さん。(…次のページへ)

財団法人 十勝圏振興機構 十勝産業振興センター
プロジェクト推進課 主任
飛川 剛さん

「まっ平らなところがよくて」

Iターン

 I(アイ)ターンは東京などの都市部から、出身地などではないゆかりのない土地に移り住むこと。その土地の魅力に惹かれて、新たに職を探すなどして移住する。

十勝平野

 西は日高山脈、北は石狩山地、東は白糠丘陵に囲まれており、南部は太平洋に面している。十勝平野は、北海道の全面積の10%ほどを占め、十勝支庁の多くの面積を占めている。平野の中を十勝川が流れており、中心付近には帯広市がある。土地は火山灰を多く含む。農業は、広い耕地に機械を活用した大規模農業が盛んであり、畑作や酪農が中心である。大豆、小豆、甜菜、じゃがいもなどの有数な産地であり、北海道一の畑作地帯である。

(Wikipediaより引用)


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