北海道の産学官連携の要になる人々を紹介します
まず初めに今回の主役、佐々木淳さんが籍を置く機構の紹介から始めよう。独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization)、略称NEDO(ネド)(以下NEDO)は、経済産業省の外郭団体である。組織のミッションは産業技術の国際競争力強化とエネルギー・地球環境問題の解決。川崎市に本部を置き、国内では北海道、関西、九州の3カ所、海外ではワシントンや北京など5カ所に支部と事務所を置いて展開している。
どんなに価値のある研究でも「知る人ぞ知る」で終わってはもったいない。NEDOは国の税金を有効に活用し、企業や大学などの研究機関が持つシーズの発掘や実用化を見据えた技術開発を積極的に支援している。
優れた技術は首都圏だけに眠るものではない。地方ではまだまだ知名度が低いNEDOでは、平成19年から国内の3支部に「イノベーション・オフィサー」なる人員を配置。本部と各地域の架け橋となる使命を与えた。全国でもわずか3人のイノベーション・オフィサー、それが勤務3年目の佐々木さんに与えられた新たなポジションだった。
さらに注目すべき点は、北海道支部のイノベーション・オフィサーは同時に北海道経済産業局にも所属していること。「NEDOが地域性を持たない組織であることを考慮し、地域との関係が深い経済産業局との連携が両者にとっても有意義であることを期待した、全く新しい試みです」と佐々木さんが解説してくれた。こうしてNEDO内でも前例がない2種類の名刺を懐に、「縁もゆかりもなかった」北の大地での新生活が始まった
「北海道でもNEDOの存在はまだ浸透中。
現在でも初めに“経済産業局の佐々木です”とご挨拶させていただき、
それからNEDOの紹介につなげていくケースも多いです」。
偶然にもNEDO本部がある川崎市生まれの佐々木さん。大学時代は(…次のページへ)
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
北海道支部 主幹 イノベーション・オフィサー
佐々木 淳さん
「経済産業局との連携が両者にとっても有意義であることを期待した、全く新しい試みです」
官公庁の組織の外にありながら、その官公庁から出資・補助金を受けるなどして補完的な業務をおこなう団体のこと。
(Wikipediaより引用)