北のものづくりサポーター

北海道の産学官連携の要になる人々を紹介します

この記事の内容は取材日(2010年1月25日)時点のもので、現時点では組織構成などが変更されていることがあります。

開港150周年、港町を支える食品加工業

 2009年に開港150周年を迎えた函館は日本屈指の港町。日本海・太平洋・津軽海峡と三方を海に囲まれ、古くから水産業を基幹産業として栄えてきた。スルメイカ・コンブ・マグロは水揚量・水揚高ともに全道1位。JR函館駅から歩いてすぐの市場には今日も観光客を呼び込む売り子の声が響き渡る。

 歴史ある水産の街を支える地場企業は、その大半が食品加工業。財団法人函館地域産業振興財団が運営する北海道立工業技術センターでは、水産食品加工を筆頭に、バイオテクノロジー、工業材料、機械電子技術、プロセス技術の各分野で地域ニーズに根ざした研究開発を進めている。

 「センターに専業のコーディネーターはおりますが、さらに心強いのはコーディネート業務もカバーできる専門研究員の存在。その筆頭が小西くんです」。そう語る企画事業部起業化推進室田口室長の言葉を同席した当人はおもはゆそうな表情で聞いていた。

専門分野の枠を越えて目的に突き進む

 もとはパロマ工業株式会社の研究職。札幌研究所の立ち上げに関わり、ガスバーナーや次世代型給湯器の設計開発を担当した。成果を出した次は新たな手応えが欲しくなる。北見工業大学の恩師に相談すると勧められたのが今の職場だった。

 北海道立工業技術センターが研究支援する分野はおおまかに分けて二つある。食品・バイオテクノロジー系と材料・機械・プロセス系。同じ研究開発部の研究員同士でも専門分野の畑が違えば知識の共有は難しい。

 だが、プロジェクト推進科を単身で担う小西さんに限っては「そうも言っていられない状況がほとんど(笑)」。餅は餅屋だが、餅屋の店頭に座り込む熱心さで部署間を自在に行き来する。すべては「他でもない自分を頼りにしてくれた企業ニーズに応えるため」。職場の内外で一目置かれる理由がそこにある。

鮭とばをなぜ1日寝かせるのか

 小西さん自身の専門分野は食品の乾燥技術。前職の経験上、(…次のページへ)

北海道立工業技術センター
研究開発部 プロジェクト推進科 科長
小西 靖之さん

「他でもない自分を頼りにしてくれた企業ニーズに応えるため」

函館市

北海道の南部に位置する市。北海道内では旭川市に次ぐ第3の人口を有する。漁業(港湾)と観光の街。函館山からの夜景が美しく津軽海峡に浮かぶ漁り火(いさりび)がそれに花を添える。中核市に指定されている。

(Wikipediaより引用)


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